藤ひろしのブログ『藤魂』

2021年10月18日

劇団双六ザ・ファイナル編

皆様多忙で間が随分空いてしまいすいません。
旅回り6年目に差し掛かる頃お客様の入りは旗揚げ以来最高。
でも僕の気持ちは一番落ちてたと思います。
兎に角舞台を良くしたいって考えてるのにこの頃は頻繁に舞台以外の揉め事やプライベートでトラブル起こす人間も出てきて…
子供達の進路を決めるギリギリの時でもありました。

三白館で初めて公演させて頂いた時凄く劇場を応援されてた方が事故的に僕の公演中に亡くなり終演後お通夜に行かせて頂いた時ご主人が「後一年したら夫婦共に定年の年、今まで仕事だけで夫婦で頑張って来たから来年には夫婦で一度旅行に行こうな!って約束してたのに…」と涙を堪えながら語ってくれた時に自分も旗揚げをして多分に仕事の為に家族を犠牲にしてるなと気付きました。

今はまだ若いけど人間に絶対はないし働いて働いてそれで僕に何かあったら家族は?って考えたら今やってる仕事内容がハード過ぎて(舞台出演6人で1枚看板の座長なので毎日が祭りに近い状態で公演してましたね💦)健康とは程遠い毎日の暮らしでしたから日々の生活が恐くなったりもして…
メンバ-もそれぞれ好きな事やりたかったり先々役者を辞めたい子、照明の樋口の爺ちゃんは高齢で身内の方からも「そろそろ此方に帰して余生をのんびり過ごさせたい」と要望も頂いてましたので丁度40歳手前だし旅回りも劇団経営も辞めてみて全てリセットして新しい方向にチャレンジしてみよう!と1回目の三白館公演の途中には心の中では決心して1ヶ月頑張りました。

興業は良い成績で終わり2月1日ユーユーカイカンでの公演の終演後に「後一年で劇団双六は解散、一年間付き合ってくれたら後の人生は各々が好きな事をして構わないからもう一度気合いを入れ直して最後の一年頑張って欲しい」とみんなにお願いをして最後の一年が始まりました。
千秋楽はそれまでは明るい芝居だけをやってましたが最後の一年はもう二度と来れない場所もあるかもしれないので千秋楽は悔いが残らないように自分がやりたい芝居をやらせて頂くようになりました。

人間って難しいな~ 
「旗揚げなんてするもんじゃない。雇い主がみんなの顔色伺って赤字だろうがみんなの生活を守る義務がある。それよりもお給料頂いて舞台だけを頑張るのが一番楽なんだぞ」と度々言ってたお爺ちゃんの言葉を思い出したりもしました💦
今となっては全てが良い思い出だしきつい稽古を一緒に頑張ってくれたメンバ-には心から感謝です。

最後の公演となった2018年2月
明石三白館

最後にやった芝居は里恋峠
一番思い入れがある芝居なので沢山ある芝居から敢えてこの芝居をやらせて頂きました。
役者の本道は芝居だと思うのでファイナルは舞踊終わりでなく芝居終わりでした。

改めてカーテンコールで拍子木が10回鳴り「全ての人の心にありがとう」が僕からの最後の言葉で客席に退場して終幕。
劇団双六は7年間の歴史にピリオドを打ちました…
終わって感傷に浸るのは好きじゃないので無事に終わって良かった。
新しい人生のスタートに期待半分不安半分でした。
7年間劇団双六を応援してくれたお客様には本当に申し訳ない!と途中何度も思いましたが旅回りしながら子供達は一般の生活は出来ないし親子が離れて暮らすのは僕には出来ない選択でした。
親子で一緒に舞台されてる方が羨ましくもあり高校に通う子供と一緒に暮らして一ヶ所で生活出来る事を幸せに思ったり…
人間欲を出すとキリがない、お金は勿論必要だけど家があり家族が元気で人並みのご飯食べれて暖かい部屋でベッドで寝れる自分は幸せだと僕は思います。

次回は…お爺ちゃんの思い出編にしたいと思います。
最後までお付き合いありがとうございました😊